英語・日本語をきちんと学べる環境を作りたい

時は遡ること2000年。学校長であるスティーブン・パール氏は、約19年にわたり、東京都内のインターナショナルスクールにて教師・アドミニストレーターを担当していました。
そこで、『日本語が母語である子どもたちが、小学3・4年生になると、いっせいにアカデミックな英語力が伸び悩む』という状況に直面したのです。

当時、学校側は『英語力が伸び悩むのは、英語の勉強が足りないからだ』と結論づけ、英語の授業を増やすも、英語力の伸び悩みは改善されませんでした。

教師として子どもたちに接していたパール氏は、その理由について考えぬき、「英語が足りないんじゃない。子どもたちにとって母語である日本語の勉強が足りないから、アカデミックな英語力がある一定のレベルから伸びないんだ!」という結論にたどり着きました。
「英語・日本語をきちんと学べる環境を作りたい」というパール氏のアイデアが同校を設立するきっかけとなったのです。
そうして同校は2001年9月に開校となりました。

同校では、他のインターナショナルスクールやプリスクールで取り入れられている、”オールイングリッシュ”というルールは定めていません。

「当校ではバイリンガル教育を行っていますが、いわゆる他のスクールのように、”オールイングリッシュ”にはこだわっていません。
なぜなら、子どもたちにとって自由な表現方法を大切にしたいからです。
勉強をしていると、いろんな方面から物事を考察する場面があります。そんな時、子どもにとって弱い言語で考えさせたり、調べさせても、物事への理解を深めることはできません。つまり、自分の得意な言葉できちんと調べたり深く考えたりすることが大切なのです。

日本語はダメ!と言ってしまうと、『英語は良い言語、日本語は悪い言語』という認識を植え付けてしまいます。それは避けたいと思っています」

また、他のスクールにはない新しいアプローチを取り入れていることから、「ニューインターナショナルスクール」という名前になったようです。
では、新しいアプローチとは、具体的にどのような取り組みを行っているのでしょうか。

『バイリンガル教育』と『マルチエイジ教育』

同校の最たる特徴は『バイリンガル教育』『マルチエイジ教育』であること。

まず『バイリンガル教育』においては、同校では、英語と日本語の両言語を学習言語として使用するバイリンガル教育を行っています。英語教師と日本語教師がチームとなって各クラスの担任となり、主要教科はすべて両言語を使って学習を進めています。
つまり、”日本語を勉強する””英語を勉強する”ではなく、”日本語で勉強する””英語で勉強する”スタイルなのです。

では、どのように、両言語を使いながら授業を進めているのでしょうか?

「クラスには約20名の子どもたちがいます。
子どもたちは、英語教師に教えてもらうグループ・日本語教師に教えてもらうグループ・与えられた課題を進めるグループに分かれ、2〜30分ごとに席を移動していきます。子どもたちは、全員が席をぐるぐる回る状態になります。
英語教師のグループにいる子どもは英語で算数を習い、日本語教師のグループにいる子どもは日本語で算数を習います。
また、たとえば日本語で学習した子どもは、次回は英語で学習ができるようにグループを交換するなど、特定の言語による指導に偏りが出ないように計画的に授業を進めています」

次に、同校では『マルチエイジ教育』というスタイルをとっています。
クラスは3歳ずつに区切られており(3〜5歳、6歳〜8歳、9歳〜11歳、12〜14歳、15〜18歳クラス)、一つの教室に複数の年齢の子どもたちが在籍しています。
子どもたちは、”学年”という従来からの制約に妨げられることなく、一人一人自分のペースで学び、成長することができます。

この概念は、同校が取り入れているスコットランドのカリキュラムのもの。
というのも、スコットランドのカリキュラムは、日本や多くの国で使われている”○年生””○歳”という概念がありません。
得意分野や不得意分野など、子どもたち一人一人の発達段階に応じて、カリキュラムが組み立てられていくのです。
教科は、言語・算数・社会・理科・図工・音楽・保健体育・テクノロジーなど、日本の学校で教えられる教科と同じものですが、中国語・テコンドー(インターナショナルスクールのみ)といった同校ならではの授業もあります。
アーリーラーニングセンターでは『遊びを通しての学習時間』の中で、上記の教科を体感したり、ディスカッションを行ったり、創作活動を行うことで学んでいきます。

さらに、同校が掲げる『自分で考えて行動できる人間』を育てるために、授業の中には社会的スキルを育む”エンタープライズ(企画実践教育)”の要素も含めています。
たとえば、子どもたちに”寄付”というテーマを与えた場合、寄付をするためのお金をどのように集めるか?何を仕入れ、何を売り、どうやってお金を生み出すか?というところまで子どもたちがすべて考えます。

自由ながらも意欲的に学ぶことができる環境を作ることで、物事に興味を持ち探求して行く姿勢、問題解決能力、周囲に対する配慮、言葉を効果的に使う方法、そして、様々な専門技術や学術的・芸術的創造性など、人生において必要な事柄を身につけることができるのです。

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学校名NEW INTERNATIONAL SCHOOL OF JAPAN
住所東京都豊島区南池袋3-18-32
電話03-3980-1057
公式ホームページhttp://newis.ed.jp/jpn/indexj.html
フィロソフィー

ニューインターナショナルスクールの子ども達は、子どもが中心となり熱心に取り組める環境のもとで、社会性や学力、創造力、主体性を伸ばしていきます。さらに、当校ではスコットランドの「卓越へのカリキュラム」を二言語で実施しており、子ども達は知識、技能、学習への姿勢を発達させていきます。

受け入れ年齢3〜5歳(アーリーラーニングセンター)
6〜18歳(インターナショナルスクール)
授業時間8:30〜15:35(3〜8歳)
8:30〜15:45(9〜18歳)

【一日の流れ】
8:30 登園
10:00 スナックタイム
10:30 遊びを通じての学びの時間
12:00 ランチタイム
13:15 遊びを通じての学びの時間 音楽(週2)、図工(週1)、図書(週1)、体育(週2)の授業
15:35 退園
昼食とスナックなし
サマーキャンプあり
3〜18歳
スポット参加(可)