プリスクールなどで幼少期から本格的に英語を習得することで得られるメリットについて説明しますが、その前に知っておいてほしい日本の現実があります。

2016年のデータによると、オーストラリアの平均年収(フルタイム)はAUD78,832(約670万円)です。
※1AUD=85円

一番年収の低いタスマニア州でもAUD69,477(約590万円)、首都のキャンベラがある一番年収の高い州では、AUD89,846(約763万円)です。

2020年の日本の年代別平均年収は、20代:348万円、30代:444万円、40代:510万円、50代以上:613万円となっていて、日本で一番平均年収の高い50代以上の数値は、オーストラリアで一番年収の低いタスマニア州とほぼ同等となっています。

日本とアメリカの賃金格差についてはこちらの記事で説明しています。

35歳の年収比較

仮に、日本で35歳の一般的なサラリーマンの場合、所得は約450万円になるのに対して、オーストラリアでは約560万円になります。
※オーストラリアの新卒の平均年収は約472万円と、大学を卒業したばかりの日本のサラリーマンの平均年収以上の給料を獲得しています。

このようにオーストラリアの約560万円はあくまでも平均値ですので、もっと高い人も多く存在します。また、アメリカのシリコンバレーでは給与1,000万円はワーキングプアレベルだったりします。

しかし、日本において35歳で600~700万円の給料を獲得するのは一部の職種や企業を除いてかなり難しいです。また仕事に費やす時間も他国より長いのが特徴です。

海外で勤務し、日本で生活するというスタイル

コロナ禍の影響で日本だけでなく世界的にオンラインの可能性が広がりました。また、オンラインは距離や時間を埋めるのにとても有効な手法のひとつでもあります。
5年後、10年後、今プリスクールに通っている子どもが大人になる20年後には、世界と日本の格差は広がる可能性の方が高いように思います。
そうなった時に、賃金の安い日本で無理に働くよりも、高給が得られる海外で仕事をし、日本で生活をするという方法が当たり前になる可能性があります。

実際にすでにイギリスやスペインなど、日本を含めた様々な国の人がオーストラリアに出稼ぎに出ています。もちろんオーストラリア以外の国へ出稼ぎに出ている人も多くいます。

この時に必要になるのは旅行レベルの英語ではなく、実践的なビジネス英語になるわけですが、普段の生活の中に英語が皆無な日本という国において一番手に入れにくいスキルになります。

小学生~高校生で英語の習得レベルを伸ばす方法

幼少期から本格的に英語に触れる生活をしたり、プリスクールに通っていた生徒は、小学校に入る時点で、英検3級~準2級のレベルまでは到達できます。(※レベル感を分かりやすく表現するために英検を基準にしていますが、英検が重要ということではありません)

そういった生徒でも小学校は公立校に通う生徒も比較的多く、そのような場合、英語に触れる時間が極端に短くなるため、英語力を伸ばすことよりも維持することで精一杯になります。そこで、さらに英語力を伸ばすためには、アニメや映画や海外ドラマを英語で観たり、英語の本を読んだり、アフタースクールに通ったり、家庭教師をつけたりとプラスの努力を継続して行う必要があります。

もうひとつの進路はインターナショナルスクールです。インターナショナルスクールの説明は割愛しますが、学費は年間約200万円と高額ですので、簡単に選べる選択肢ではありません。

英語での中学受験

大都市圏では中学受験に取り組む生徒が多くいますが、受験科目は国・算・社・理の4科目受験か、国・算の2科目受験が基本になります。

そこに近年ではグローバル枠など英語での受験が可能な学校が増えてきていて、英語で受験する生徒は、英・国・算・社・理の5科目に取り組む必要が出てくる可能性があります。

中学受験で求められる英語のレベルは学校により様々ですが、英語試験のレベルが高ければ、その分入学後にレベルの高い英語カリキュラムが用意されている傾向があります。偏差値の高い学校の入試で求められる英語レベルは英検準1級以上になりますので、将来実践的なビジネス英語を身に着けたい場合は、受験科目を英・国・算の3教科に絞るなど、とにかく英語習得に力をいれる必要があります。

そうは言っても、社・理を全くやらない訳にもいかないため、日本で英語受験をする時点で、子どもには相当な負荷がかかってくることを理解しましょう。

4科目受験と比較し、英語受験の場合の国・算は難易度がさがりますが、代わりに英語での面接や英作文など、特別な試験が増える点も抑えておきましょう。

圧倒的に有利な大学受験と就職

日本の大学は英語の配転が高い場合が多いです。
そのため、高校卒業までハイレベルな英語を学んで来た子どもには、非常に楽な試験となることでしょう。それもそのはず、英語に時間を割く必要が無く、他の科目に集中することができるからです。

また、海外の大学に進学する道も選択できます。

就職においても、国内の企業から就職先を探す必要もなく、高給な海外の企業を選択することができるようになります。

このように幼少期から英語を学び続けることで、人生を左右する大学や社会人時代に、より多くの選択肢の中から進路を選ぶことができるようになります。

最終的にはどの段階でも本人の努力次第ではありますが、中学で4教科受験をし、偏差値の高い中学校に進み、大学で偏差値の高い大学に進み、大手企業に就職すると安定した生活や人生が送れるという時代ではすでになくなっている現在において、その考え方で親が子どもの進路を選択してしまうことは、子どもに不利な人生を歩ませる第一歩になるかもしれません。

ITデバイスの進化により英語を知らなくても会話が成立するという意見もありますが、個人間コミュニケーションにおいて、何らかの機能を利用しないと会話が成立しないようでは本当の意味でのコミュニケーションは図れず、親密になることは困難であり、就職やビジネスにおいては当然不利になります。

結局のところ、社会人になったときの差や人生における大きな差というのは、例えば幼少期にプリスクールに通っていたかどうか?などという初期のなんということのない部分が分岐点になっていたりします。